内科を受診される方へ
風邪などは早めの受診が大切です。症状が悪化する前に受診して下さい。
その他、「何となくだるい」「食欲がない」「ちょっと気になることがある」など、どこの診療科にかかればいいのか迷っている方もご相談下さい。
また、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などについても、 定期的な通院でコントロールしていくことで心筋梗塞・狭心症、脳梗塞などの余病を防ぐことが重要です。
次の様な症状がある場合、お早めにご相談下さい。
- ● 発熱、咳、喉の痛み
- ● 腹痛、頭痛、胸の痛み、動悸
- ● 嘔吐、下痢、血尿、便秘
- ● 倦怠感、体重減少 >など
- ◆ 咳や息切れ、動悸など胸部症状が続くという方は、心臓病が原因の場合があります。
詳しくは循環器内科ページをご覧ください。 - ◆ 急に足が張れてきたら「下肢静脈血栓症」の疑いがあり、早めの検査が必要です。
詳しくは循環器内科ページをご覧ください。
※ 不定愁訴(原因のはっきりしない体の不調)についてもご相談下さい。
インフルエンザについて
毎年11月〜3月にかけてインフルエンザ感染症が流行します。 前日まではとても元気だったのに、急に悪寒や頭痛が出現して、39度以上の高熱を生じるのがインフルエンザの特徴で、「ふつうの感冒」かぜとは全く症状が異なります。からだが凄くだるくなるため、院内待合室でも椅子に座っていられずに、横たわっていらっしゃる患者さんをよくみかけます。
インフルエンザ予防は、1にも2にもこまめに手洗いやうがいが大切ですが、流行期前にワクチン接種を済ませておくことが肝腎です。たとえ罹ったとしても、ワクチン接種により程度が軽く済むことも期待されます。感染早期の段階でも高感度で診断できる検査機器があり、また効果的なお薬がありますので、もしインフルエンザかなと思ったら、早めの受診、検査、治療をお勧めします。
インフルエンザの症状について ※風邪や細菌感染との比較
ウイルス感染 | 細菌感染 | ||
---|---|---|---|
普通感冒 | インフルエンザ | ||
発症 | 緩徐 | 急激 | 緩徐 |
発熱 | 微熱 | 高熱 | 微熱~高熱 |
咳 | 軽度~高度 | 少ない | 軽度~高度 |
痰 | 白色・粘液性 | 少ない | 黄色・膿性 |
咽頭痛 | 多い | 少ない | 少ない |
悪寒 | 少ない | 高度 | あり |
筋肉痛 | 少ない | 高度 | あり |
頭痛 | 少ない | 多い | あり |
肺炎について
肺炎は、ウィルスや細菌による感染症、薬剤、アレルギー、誤嚥など、様々な原因によって肺に炎症が起こり、呼吸障害を起こす病気です。最も多いのは、風邪を引いて体力が低下している時に、ウィルスや細菌などの微生物が空気中から肺に入って、2次感染を起こすケースです。
肺炎球菌のような細菌性肺炎、ウィルス性肺炎のほか、マイコプラズマ菌、真菌(カビ)といった微生物による感染性のもの、間質性肺炎のように非感染性のものも含めて、広く肺の炎症性疾患を肺炎と呼んでいます。それぞれ症状や治療法が違うので注意が必要です。
また、インフルエンザのシーズンにおける細菌性肺炎では、50~60%が肺炎球菌によるものとなっています。この肺炎球菌は、健康な人の口の中に常在していることが多く、体力が落ちているときや、免疫力が弱くなってくると肺炎を引き起こします。
肺炎球菌ワクチンについて
肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされる様々な病気(感染症)を予防するためのワクチンです。
肺炎球菌には90種以上の型があり、そのうちの23種に対してワクチンは効果があり、この23種類で実際の肺炎球菌感染症全体の80%を抑えることができます。
気管支炎について
気管支炎とは、気管支に炎症を起こした状態のことをいいます。
息を吐く時にゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がしたり、呼吸が困難になるのが特徴です。初期の段階では鼻汁やくしゃみなどが起き、場合によっては熱が出ることもあるため、風邪と判断してしまうことがありますが、風邪が治りかけている様な状態のままいつまでも咳だけが出る場合は、気管支炎の可能性があり、症状が進むと、多呼吸や激しい咳を伴う呼吸困難が起こってきます。
咳の原因さまざま!
「のどかぜはもう治ったのに、咳が相変わらず続いて一向に治らない。」といった状態に悩んでいませんか。咳が長引く場合は、何らかの病気が隠れていることがあります。
肺炎、肺癌や結核など重篤な病気が原因となっている場合もありますので、まずはそのような病気がないか、胸部レントゲン検査で確認する必要があります。また、うっ血性心不全や心臓弁膜症など心臓病で咳がでることもありますので心電図検査を併せて行います。
もしいずれも検査でも異常がない場合は、「ぜーぜー」「ヒューヒュー」などと呼吸音がする喘鳴があるかないかで、疑われる病気が変わってきます。このような喘鳴が聞かれる場合は気管支喘息の可能性があります。また、喘鳴がなく、以前にも風邪を引くと咳だけが長引くエピソードがある場合はせき喘息が疑われます。数週間以上長引く咳の原因の約半数を、咳喘息が占めるといわれています。
咳喘息にかかると、1ヶ月以上空咳が続きます。会話がきっかけとなったり、エアコンの冷気に当たったり、部屋の寒暖差や喫煙などがきっかけとなって、堰を切ったように咳が止まらなくなる特徴があります。咳発作が激しいときは嘔吐することもあります。このようなせき喘息や気管支喘息の咳は通常の咳止め薬では治りません。喘息の原因とされる気管支粘膜のアレルギーを抑える薬や、気管支を拡張させるお薬が必要となります。症状がよくなったからといって、すぐに治療をやめると再発することがありますので、治療は根気強く数か月続けることが大切です。
咳喘息は気管支喘息の前段階ともいわれ、そのまま咳を放っておくと、数年後に本格的に気管支喘息に移行してしまうことがあります。そうなる前に、正しい治療と健康管理を続けることが大切です。
このほか、長引く咳の原因として、マイコプラズマや百日咳などの肺感染症、鼻の病気である副鼻腔炎や後鼻漏、胃食道胃酸逆流症などがあり、それぞれ治療が異なります。
また、長年たばこを吸う中高年以上ではCOPDという慢性閉塞性肺疾患も原因と考えられます。咳以外に軽い歩行でも息切れがします。治療は禁煙が第一で、適切な治療をすると症状が和らぎ快適な日常生活を送ることができます。
※禁煙については、当院の「禁煙外来」までご相談ください。